現役東大生による東大科類紹介~文科三類編~

こんにちは!文科三類2年のN.Kです。
今回は東大の文科三類(通称「文三」)について、入試から入学後の生活、進学選択に至るまで、今も所属している僕がその実態をお話ししていきます!

文三に入るのは簡単?

皆さんは、こんなセリフをいう東大受験生を見たことはありませんか?

「文三なんて文一文二に比べたら楽勝でしょ(笑)」

……果たして本当でしょうか?


出典:http://todai.kawai-juku.ac.jp/exam/average.php

こちらが過去10年の東大文系の合格最低点です。
確かに文三はほぼすべての年で合格最低点が最も低くなっていますが、文二や文一との差は得点率にしてわずか1~2%と、非常に小さくなっています。

そして何より、実際受験した僕の感覚からしても、その差はさほど大きくないといえます。

文一や文二を目指す人と文三を目指す人の勉強法が違うわけでは全くありませんし、実際に出る問題が違うわけでもありません。

文三といえども東大です。

「文三だから入りやすい」などという考えは、よほど直前期でもない限り基本的に捨てたほうがよいでしょう。

文三の特徴は?

そんな文三ですが、その特徴としては次のようなことが挙げられます。

〇文学部・教育学部・教養学部を目指す人が多い

→ご存じの方も多いかと思いますが、東大では1,2年生が前期課程、3,4年生が後期課程とされ、前期課程では全員が教養学部に所属しますが、後期課程では法・文・経済・教育・理・工・農・薬・医・教養の10学部いずれかに所属することになります。どの学部に所属するかは2年生の夏ごろに決まりますが、これを「進学選択」(通称「進振り」)といいます。

それぞれの学部には「指定科類」が設けられていて、たとえば法学部では文科一類が指定科類となっています。各学部でその指定科類から受け入れる人数が決まっていて、それ以外の科類の学生は「全科類」の枠を目指すことになります。大抵、指定科類の定員の方が全科類の定員よりかなり多くなっているため、指定科類からはその科類を指定している学部に進みやすい、ということになります。

さて本題の文三についてですが、文三を指定科類としている学部は以下の三つです。

文学部   教育学部   教養学部

つまり文三からは、これらの学部に比較的進学しやすいといえます。そのため文三は、最終的にこれらの学部を目指す生徒が受験することが多く、また入学後もこれらの学部を目指す人が多くなっています。ただもちろん、興味が変わるなどして文三から法学部や経済学部、はたまた理転して理学部や農学部に進む人もいます。「進振り」の道は一人一人によって異なるのです。

〇希望の学部・学科に進むため高い点数を狙う人が多い

→「じゃあ進振りってどうやって決まるの?」と思った方も多いでしょう。

進振りはずばり、「履修した科目の平均点」によってすべてが決まります。

東大では基本的に、ある科目を履修した学生には点数をつけてその成績を評価します(点数が付かず「合格」「不合格」のみ知らされる科目も中にはあります)。そして学生は、2年Sセメスター(春学期)までに取得した点数の平均点によって、進振りを戦うことになります

先ほど述べたように文三から進む人の多い文学部や教育学部、教養学部は、学科やコースが初めから細かく分かれています。法学部や経済学部でもいずれ分かれますが、志望するのは法学部、経済学部といった大きな枠組みです。一方たとえば文学部では、A~J群の10個の群から選んで志望しますし、教育学部でも基礎教育学、比較教育社会学などといった5個のコースから選んで志望します。そのため志望する人の多い学科と少ない学科が分かれやすく、その差がそのまま、それらの学科に進むために必要な点数の差として現れてきます。さらに法学部や経済学部、理系学部等を志望しようとしても、全科類枠で志望することになり、基本的には高めの点数が必要となります。

つまり、「高い点数を取らないと希望の学科に進めない」という現象が、文三では起こりやすいのです。

そのため文三では、希望の学科に進むために高い点数を狙って努力する人がよく見られます。そのやり方は人それぞれで、しっかり授業を聞いてノートを取り、内容の理解に努める人もいれば、「シケプリ」と呼ばれる試験対策用のプリントを人脈を使ってかき集めたり、いわゆる「楽単」ばかりを取ったりして高得点を目指す人もいます。皆さんはどちらのタイプでしょうか??

〇履修の自由度が文一や文二に比べて高い

→文三の履修の仕組みは、文一文二と大きくは変わりません。取らなければならない科目の種類も変わりませんが、その単位数が一部異なります。それは「社会科学」の科目の単位数です。文一文二では、法学部や経済学部に進むことが多いこともあってか、政治・法・経済・社会・数学の5種類がある「社会科学」から8単位以上取得しなければなりませんが、文三ではその半分の4単位だけ取ればよいことになっています。そのぶん、A~Fまでの6分野にわたって非常に多くの種類の授業が展開されている「総合科目」から、文一文二よりも4単位多く取得する必要があります。

つまりこれは、選べる授業の種類が(4単位分だけ)文一文二に比べて多いということです。総合科目では言語や教育、文化から環境や生命、数理科学にわたるまで非常に多くの種類の授業が展開されているため、きっと自分の興味に合った授業を見つけることができるはずです!

〇女子率が他の科類に比べて高い

→これについては理由などを説明することはできない(というか、知らない)のですが、文三の女子率は例年、東大の中でも最も高くなっています。東大では科類と、最初に選択する第二外国語によってクラス分けがなされますが、文三のフランス語では男女比がほぼ一対一になるようなクラスもあります(このため「文三フラ語」は、東大生の間でよく「キラキラ」と言われます(笑)。一方その対義語としてよく使われるのが「理一ドイ語」です。理一のドイツ語クラスでは、女子がいない年も見られるそうです)。東大全体の入学者数に占める女子の割合が例年二割弱であることを考えれば、例外的ともいえるような環境が文三ではよく見られることになるのです。

正直、文三に入ってよかった?

このような特徴をもつ文三ですが、ここからは実際に文三に所属している僕が、その素直な感想を述べていこうと思います。

〇気の合う友達が多くできて楽しい!

→先ほど述べたように、東大では入学時に科類と第二外国語によってクラス分けがなされます。僕は文三のフランス語クラスに所属していました。男女比はほぼ一対一で、全体として仲の良いクラスだったため、授業を一緒に受けたり、空きコマを食堂で過ごしたりする時間が非常に楽しかったです。授業外でも毎月クラスコンパを開いたり、クラス旅行やクラスディズニーなどの企画があったりして、たくさん思い出を作ることができました。

よく「文三は変な人が多い」といわれることがありますが、僕からすればそれは間違いで、いわゆる「普通の人」も文三にはたくさんいます。「変な人」も時にはいますが、それは不思議なぐらいに頭がよかったり、物知りだったり、独特の感性を持っている人を指しているのであって、むしろそういう人と出会えるのも文三の魅力だと僕は思います。文三を志望する皆さんは、ぜひ気の合う友達を見つけて、一度きりの大学生活を楽しんでくださいね!

〇興味・関心の近い人が多い

→これは当たり前といえば当たり前ですが、やはり同じ科類を選んできているため学問的な関心や興味の近い人も多いです。特に文三の場合は教育や文学、心理などについて興味を持つ人が多いような感じを受けます。僕自身もそういった分野に割と興味があるため、履修する授業もクラスの人と被ることが多かったです。友達と同じ授業を受けるのは単純に楽しくてモチベーションになりますし、テスト前にはお互いに助け合えたりもするのでおすすめです!(笑)

〇点数を取るのはそこまで大変ではない?

→これは人によって所感の分かれるところだと思いますが、僕自身は文三にいたからといってそこまで進振りが大変だったようには思いませんでした。基本的には、普通に出席して課題やレポートを出し、テストを受ければそこまで低い点数がつくことはありません。

また僕が進振りにそこまで苦労しなかったのは、「必修の授業を特に真面目に受けた」ことが理由の一つだったように今は思います。実は必修でない科目は、基本的に何個でも自由に履修することができ、一度低い点を取ってしまっても、後から他の科目で高い点を取れば補うこともできます。一方必修の授業ではそうしたことができず、基本的に一度しか受けられないため、その点数はそのまま進振りに響くことになります。僕はフランス語や英語などの必修の授業を特に真面目に受けたことで、進振りを有利に進めることができました。皆さんももし文三に入ったら、必修の授業だけは特に真面目に受けるようにしましょう!必ず後で自分を救ってくれるはずです。

結論として、僕は文三に入って良かったと思っています。それは上のような理由がすぐに挙げられることからもわかりますし、何より入学してから今までの大学生活を楽しく過ごせたことも大きいです。将来的に言語や文学、教育や心理などについて学んでみたいなと思っている人は、ぜひ文三を選んでみてほしいなと思います!

まとめ

ここまでかなりの文字数を割いて、文科三類がどういうところかを可能な限り語ってきたつもりですが、いかがでしたでしょうか…?ここに書いてあることを読んだだけで文三のすべてが分かることは決してないでしょうし、僕自身も文三に入ってみてから分かったことがたくさんあります。ですがもしこれを読んでくれている受験生の皆さんの中に、少しでも文三に興味をもってくれた人がいたら、文三に所属する学生として嬉しく思います!

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